遭難した陸自ヘリの安否が気遣われる中、事故の原因にヘリの安全性について問題視している人も出てきました。
今回は2023年4月6日遭難した陸自ヘリの型についてご紹介していきます。
またUH60型の過去の墜落事故についてもご紹介。今回の遭難事故は機体不良による可能性はあるのか?考察しています。
UH60JAとは?
今回事故を起こしたと見られている陸上自衛隊のヘリコプターの型はUH60型です。
UH60JA型は、米陸軍の多目的ヘリのUH60ブラックホークを自衛隊仕様にした機体の事なんです。
日本で三菱重工業がシコルスキー社とのライセンス契約に基づき、国産化しました。
UH60JA型はエンジン2基のうち1基が停止しても飛行可能と言われていて、過酷な環境で任務を行う陸自の特殊作戦の訓練に向いているそうです。
ちなみにUH60は、米ロッキード・マーティン傘下のシコルスキー・エアクラフト社製で、米軍のみならず世界中の多くの軍隊で使用されているそうです。
UH60ブラックホークの過去の事故と原因
・2015年エグリン空軍基地の墜落事故(2015年)
・2015年コロンビアで墜落事故(2015年)
・2017年UAEで墜落事故(2017年)
・2017年ハワイで墜落事故(2017年)
・2020年台湾で墜落事故(2020年)
2000年に入ってから5件もの事故がありました。思いの外墜落事故はあったようです。
それぞれ原因について詳しく見ていきます。
2015年エグリン空軍基地の墜落事故 →パイロットの空間識失調
空間識失調とは、操縦者が自分又は操縦している航空機の姿勢、位置、運動状態(方向、速度、回転)などを客観的に把握できなくなった状態のことを言います。
2015年3月、米南部フロリダ州で夜間訓練に参加していたUH60ブラックホーク1機がエグリン空軍基地付近の入り江に墜落。搭乗していた海兵隊員7人を含む計11人が死亡。事故原因は、機体の姿勢が分からなくなるパイロットの空間識失調による制御不能。
2015年コロンビアで墜落事故 →悪天候で視界不良
2015年8月、麻薬取り締まり中のUH60ブラックホーク1機が山腹に激突し、墜落。警察官16人が死亡。主な事故原因は低層雲がパイロットの視界を遮った悪天候とみられている。
2017年UAEで墜落事故 →技術的な不具合?
2017年8月、アラブ首長国連邦(UAE)空軍が運用するUH60Mブラックホークが、サウジアラビア主導の任務中にイエメンのシャブワで墜落。搭乗していた兵士4人が死亡。原因は技術的な不具合によるものとみられている。
2017年ハワイで墜落事故 →パイロットの空間識失調
こちらも2015年に起きたエグリン空軍基地の墜落事故と同様、パイロットの空間識失調によるものが事故の原因でした。
この空間識失調については多くの事故で原因となることが多いようですね。
2017年8月、ハワイのオアフ島沖で米陸軍のUH60ブラックホークが夜間訓練中に墜落し、5人が死亡。パイロットの空間識失調による制御不能が原因。
2020年台湾で墜落事故 →環境要因
2020年1月、中華民国空軍(ROCAF)救急隊所属のUH60Mブラックホークが北東部宜蘭県と新北市をまたぐ山中に墜落。搭乗していた台湾軍制服組トップである沈一鳴・参謀総長ら8人が死亡。墜落の原因は環境要因と人的要因の組み合わせと伝えられているが、詳しい内容は分かっていない。
まとめ:UH60に機体不良はない?原因は人員的なミスか
今回の調査では現在行方不明の陸上自衛隊のヘリコプターの型はUH60であることと、過去UH60で起きた墜落事故についご紹介しました。
過去に起きたUH60の墜落事故については2000年代に入り5件ありましたが、いずれも機体不良による墜落はありませんでした。
よって今回遭難したUH60JAの機体不良による墜落の可能性は限りなく0に近いものと推測することが出来ました。
“10人という人数はもちろん、師団長の乗った機体の消息が分からないというのは前代未聞のことだ。隊員らの安否が本当に心配だ」”
”元陸上幕僚長で東洋学園大学の冨澤暉名誉教授より”

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